1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 01:44:59 ID:hiAL7Ur40
二十年以上生きてきたけどあんなでっかい臭い玉が出てきたのは初めてだった
しばらくそれを観察した俺は、何となく死ぬ気が失せて山梨の山中を後にした

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 01:46:11 ID:mscnxrKv0
でかいやつが取れると何故か嬉しいよな

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 01:48:14 ID:hiAL7Ur40
臭い玉は当たり前だけど物凄く臭くて、あー、まだ自分生きてるんだよなあと思った
でももうあの地獄みたいな生活には戻りたくなかったから全く別の場所で全く違う生き方をすることにした

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 01:51:28 ID:hiAL7Ur40
西日本出身西日本在住だった俺だが、
一から始めるなら東日本に行ってみようと思った。
なけなしの金をATMから降ろして新幹線に乗った。
いくつか見知らぬ街に停まって色々見て回り、最終的に某都市に降り立ち、駅前のネカフェに泊まった。

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 01:53:01 ID:h8bgHpo80
はよ

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 01:55:58 ID:hiAL7Ur40
>>9
見ててくれてるの?ありがとう


もう西日本に帰るつもりはなかったので、ここで仕事を探そうと思った
でも働くためには住民票が必要だ
だけど住民票を移したら俺がどこに逃げたかがバレてしまう
住民票を西日本に置いたまま働ける職場はいわゆるアングラな仕事しかなかった
俺は風俗のボーイとして働くことを決めた

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 01:59:13 ID:hiAL7Ur40
中高と生徒会長を務め、大学もそこそこ名の知れたところに進学し、
コミュ力もそこそこある方だったから就職も上手くいくだろうと皆に思われていた俺が風俗のボーイか、と情けなくもなった
でも不思議と死のうという気は起こらなかった
あの地獄のような場所から逃げられたというだけで心が羽のように軽くなっていたからだと思う

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 02:03:04 ID:hiAL7Ur40
ネカフェのパソコンを立ち上げ、風俗専門の求人サイトでボーイの募集を探した
結構色々あったけど、
風俗なんて行ったこともなかったしどれがどれやら全然分からなかったので
適当にネカフェから一番近いところの連絡先をメモった

携帯は西日本の我が家の傍の川に投げ捨ててきていたから、駅の傍の公衆電話からその番号にかけた

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 02:09:04 ID:hiAL7Ur40
ちなみに店舗型のヘルスに応募した
電話した当時はヘルスとソープの違いすら分かってなかった
とにかく食い扶持を稼がなくてはという気持ちしかなかった

数回コールが鳴り、店の店長が電話に出た
風俗ボーイの経験はないこと、年齢、携帯がないことを話すと、
明日の夜八時に店まで面接に来いと言われた

次の日の夜七時半すぎにネカフェを出て店を探したが、
なにぶん未知の土地なので店を発見したのは八時一分前くらいだった
八時過ぎても見つからなかったら諦めて他の店に応募しなおそうと思っていたからほっとした

そしてもし諦めて他の店に行っていたら、今の自分はいなかったと思う

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 02:12:16 ID:Z4V6vMlv0
ほうほう

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 02:13:02 ID:hiAL7Ur40
店長は強面でヤクザみたいだった
口調も荒っぽかったからビビリな俺はビビリまくりだった
でも家がないこととかを話すと寮に入れてやると言われた
どうやら採用してもらえたらしい

俺はその次の日から店の近くの借り上げマンションに住むことになった
荷物は小さい鞄一つだけで、その中には財布しか入っていなかった

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 02:16:54 ID:hiAL7Ur40
でも財布の中にはもう三千円くらいしか入っていなかった
店長に正直に話すと、前借りだと言って三万円貸してくれた
それでとりあえず服を買い、着の身着のままの状態を脱した
ネカフェ暮らしでどんどん減っていく金に不安を覚える日々が終わって嬉しかった
そして、自分は今、蔑みの対象であるはずの風俗店のボーイになったというのに人生で一番心が安らいでいて幸せだった

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 02:21:47 ID:hiAL7Ur40
面接の次の日から勤務が始まった
俺の仕事は店の前で客引きをすること、
女の子の写真をお客さんに出して選んでもらうこと、
お客さんに飲み物出したり、店の締め掃除をすることだった

始めて数日は仕事に慣れることで精一杯だった
ちなみに仕事に慣れるというのは自分のプライドとの葛藤も含まれた

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 02:27:18 ID:hiAL7Ur40
月日は流れて、風俗のボーイとして働き始めてから二年近くが過ぎようとしていた
俺は店長に良くしてもらい、中古の外車を格安で譲ってもらったりした
他のボーイの先輩にも可愛がってもらえて、結構快適に暮らしていた

二年の間に俺は本籍を全く関係ないところに転々と移すという作業を繰り返し、居場所がバレないように工作をしていた
本籍を写した回数は十回以上にもなり、このくらい本籍を移しまくれば居場所の特定も難しいのではないかと思った
それに二年の間に貯めた金を定期的に手切れ金として振り込んでいたので、もう俺を見つけようともしないんじゃないかとも思った

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 02:31:32 ID:hiAL7Ur40
そろそろ住民票を居住地に置き、まともな職に就こうかと考えていた頃のことだった。
店に俺と同い年くらいの女の子が面接に来た。

小汚い服を着て、怯えたような顔をした幸薄そうな女の子だった。
店長が面接しているのを少し離れたところで見ていたが、
風俗経験なし、家も携帯も金もなく、とにかく働かせてほしいと小さな声で話していた。

真面目そうな顔の、風俗なんてまるで縁がなさそうな感じの子だった。
何だかこの店に面接に来た頃の自分を見ているようだった。

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 02:39:03 ID:hiAL7Ur40
俺より一歳年下のその女の子は数日してから店で働き始めることになった
女の子の本名は「咲子」だったが、源氏名は店長が決めた「ゆり」になった
ちなみに風俗の源氏名は客が覚えやすいように二文字名が多い

ゆりに最初の客をつけたのは俺だった
五十過ぎの白髪のおじさんと並んでプレイルームに入っていくゆりの顔は、笑ってはいたが蒼白だった
ゆりの白い手が小刻みに震えているのが見えた

可哀想だなあとは思ったけど、自分で風俗で働くと決めたんだから他人がとやかく言うことじゃないと思った
二年前の俺が誰かに「風俗なんかで働くな」と言われたとしても、
じゃああんたは俺のこと助けてくれるのか、そんなことできないだろって思っただろうし

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 02:46:57 ID:hiAL7Ur40
ゆりは清楚なイメージで控えめなタイプだったのが逆に客に受けたのか、その月の指名ランキングで2位になった
人気嬢になると傲慢になる子も多いんだけど、ゆりはそんなこともなく、いつも幸薄そうな感じだった
でも少し慣れてくると徐々に自然な笑顔を見せるようになり、俺と雑談もするようになった

出身地の話になり、俺が西日本のある県の町の名前を挙げると、
ゆりは目を見開いて私の出身地はその町のすぐ傍だと教えてくれた

それで親近感が湧いて、俺はゆりに「こんな仕事は早めに辞めたほうがいいよ」と言った
プレイ後、ゆりがほとんど毎回トイレに行って吐いていることを俺は知っていた
ゆりは困ったように笑って「はい」とだけ答えた

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 02:51:56 ID:hiAL7Ur40
俺はその一年ほど前から、居酒屋で知り合った同い年の女と付き合っていた
でも俺はこういう仕事をしているし、その先を考えるつもりはなかった
そもそも忘れがちになるけど俺は住所不定の失踪者だったし
女も俺のそんな曖昧さに愛想が尽きたのか、
他に好きな男ができたからと言って俺から離れていった
何だかんだ言っても俺はその女のことが好きだったから結構ショックだった
でもしょうがないかなとも思った

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 02:50:05 ID:HHZ5Te5H0
見てるよ

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 02:57:40 ID:hiAL7Ur40
>>29
ありがとう


俺がその女と別れるちょっと前くらいの時期に、
ゆりが寮に男を連れ込んでいると他のボーイから聞いた
大人しそうな顔をしててもやることやってんだなと思った
でも風俗嬢って仕事柄、誰かに依存しないとやっていけない子がほとんどで、
ましてや見た目からして不安定そうなゆりが一人でやっていけないのも当然だと思った

店にはリスカしてる子とか、精神安定剤飲みながら仕事している子が多かった
連絡なしに突然いなくなる子も沢山いた
自殺した子もいた

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 02:56:57 ID:XRFFvXSmO
ここからどうやって感動的に臭い玉につなげるのか

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 02:58:58 ID:YRwlrxIY0
>>32
臭い玉から始まったんだろ

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 03:05:47 ID:hiAL7Ur40
ゆりは手首は綺麗だったし精神安定剤を飲んでもいなかったが、その代わり酒に逃げるタイプらしかった
あと上にも書いたけど吐いて身も心もすっきりさせたいタイプなのかな

俺も結構酒が強くて休みの度に色々なところに飲みに出かけていたので、
ゆりとは好きな酒とか料理の話をすることが多かった
料理好きらしく、寮では自炊をしているというし、調理師免許も持っていると話してくれた

ゆりが面接に来てから数ヶ月が経っていたが、
第一印象と違ってゆりは結構気さくでおしゃべりな子だった
毎月そこそこの指名を獲得しているだけあって、人と話すのが上手くて、俺はゆりとの雑談が楽しかった

話の流れで、今度の二人の休みが被る月曜日に飲みに行こうという話になった

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 03:09:14 ID:w7VPyoOM0
臭い玉がゆりを襲う

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 03:11:18 ID:hiAL7Ur40
月曜日、俺は店長から譲ってもらった某外車をピカピカに磨き上げてゆりを寮の前まで迎えに行った
ゆりは全然車詳しくないので「すごいすごい左ハンドルだ!」とはしゃいでいた
新車で買えば一千万くらいするんだけど(ちなみに俺は五十万で譲ってもらった)

ゆりを飲みに誘ったのは居酒屋の女と別れたばっかりで寂しかったのと、
何となく、嫌々風俗で働いてるゆりに親近感を覚えたからだと思う

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 03:18:14 ID:hiAL7Ur40
飲みに行くという約束だったわりに迎えに行ったのは昼の二時で、
飲むには早すぎる時間だったのでどこかに遊びに行こうという話になった
ゆりが座椅子が欲しいというので車を回し、某大型雑貨店に立ち寄った

ゆりが自宅で使う座椅子をどれがいいかと聞いてきたので適当に選ぶと、
じゃあそれにすると言ってレジに持っていった

俺が選んだ座椅子がゆりの部屋に置かれるのかー
でもゆりって男いるんだよな、
ゆりって素直そうで良い子に見えるけどやっぱりビッチなのかなーとか考えた

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 03:25:59 ID:hiAL7Ur40
そのあとで近くの映画館でホラー映画を見た
ゆりはノリノリでその映画が良いと言ったのに、
いざ恐怖シーンが始まるとずっと目をつぶって耳を手で覆っていた
結局ゆりは二時間弱の映画の半分は見ざる聞かざるだった
しかも見ざる聞かざるだったのに半泣きで映画館から出てきた

第一印象は幸薄そうで、
それから数ヶ月の関わりの中で結構明るくてしっかりした子なんだなという印象に変わった

でもその月曜日、俺の車を見て子供みたいにはしゃいだり、
俺の選んだ座椅子を素直に喜んで買ってくれたり、
子供だましの映画でべそかいて本気でびびったりするゆりを見て、
すごく表情豊かで魅力的な子なんだなと思った

一瞬俺はゆりが風俗嬢なんだということを忘れた
でもすぐに思い出して、なんでこの子は風俗なんかやってるんだと思った
風俗なんかやらなくても、こんな子なら幸せに生きていけるだろうにと思った

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 03:32:42 ID:hiAL7Ur40
映画館から出て車を運転する道すがら、
俺は自分がどうして風俗のボーイをしているのかをゆりに話した
誰にも話したことなかったけれど、ゆりには話してもいいような気がした

幼い頃から両親に虐待を受け続け、児童相談所に通報され、施設に引き取られたこと
施設で育ってはいるものの、俺は幸せになりたかったから、
勉強やらを頑張って生徒会長にもなったこと、友達も沢山できたこと
そのかいあって奨学金を借りて大学に通うことができるようになったこと
そこそこ名のある大学だったので、
塾講とか家庭教師とかで収入を多めに得ることができるようになったこと
教授や大学の就職課の人に、君なら絶対に一流企業から引く手あまただろうと太鼓判を押され、本当に嬉しかったこと

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 03:38:29 ID:hiAL7Ur40
どこからか、俺が有名大学に通い、収入もそこそこあるということを十年以上会っていない両親が嗅ぎつけたこと
俺の、奨学金を含めた全収入を寄越せと揺すってきたこと
断ると、俺のバイト先、大学、奨学金事務局、全てに嫌がらせの手紙と電話がかかってきたこと
家に帰るとポストに両親の直筆で、
俺がどんなに生きていることが無駄で意味のない死んだほうがいい人間か長々と書かれた手紙が入っていたこと
その時期に、バイトのしすぎの過労と両親からの嫌がらせのストレスで家から出られなくなったこと
これから先、ずっと両親の影に苦しみ続けるならもう死んだほうがいいんじゃないかと思ったこと
死のうと思って山梨の山中にふらふらと入っていったこと

ゆりは黙って俺の話を聞いていた

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 03:44:36 ID:hiAL7Ur40
死のうと思ったけど思いとどまったこと(臭い玉が出たからとは言わなかった)
どうせなら一からやり直そうと思って風俗で働き始めたこと
本籍を転籍しまくり見つからないようにしていること
手切れ金を百万以上振り込んだこと
もうこの仕事を辞めてまっとうな職に就こうかと考えていること

全部話し終えると、ゆりはしばらく黙ったあと「すごいね」と言った

別にすごくもないしただ行き当たりばったりにやってたら何とかなっただけだったけど
まぁゆりからしたら他に何て言っていいか分からなかったんだと思う

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 03:54:02 ID:kCVHClpd0
>(臭い玉が出たからとは言わなかった)

お前そこ一番大事だろうがボケ

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 03:57:36 ID:hiAL7Ur40
「私にはね」と、ゆりは話し始めた

統合失調症の母がいるの
本当に症状が酷くて、周りの人に迷惑をかけてばっかり
刃物を振り回したり家中のものを壊したり、ボコボコに殴られたことも何回もあるよ
私には妹がいるんだけど、母は妹は大好きだけど私のことは大嫌いで、私がいるとどんどん病気が酷くなるんだって
母は離婚してて私と妹と三人暮らしで、子供の頃は生活保護を受けてた
母は病気のせいで本当におかしくて、色んな人やお店とか会社に嫌がらせするのが生きがいみたいな感じ
でもその嫌がらせが度を過ぎてしまって、とうとう問題になったんだ
刑事訴訟とか賠償とか色々言われた
私はそのときはもう高卒で働いてたけど、職場にもその噂が流れてきて、居ずらくなって仕事を辞めた
でも私は母と妹を養わなくちゃいけなくて、しかも賠償もしなくちゃいけなくて、
だけど母は働けないし妹はまだ高校生で、私がどうにかするしかなかった
だから風俗で働くことにしたの
馬鹿みたいだけどね、でも私馬鹿だからそれ以外どうしたらいいのか分からなかった


ゆりは終始笑顔で、まるで楽しい話をするかのように話した

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 04:01:54 ID:0XV5IYCBi
>>1を捨てた親以外誰も悪くない

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 04:04:57 ID:hiAL7Ur40
店には、言っちゃなんだけど自業自得で風俗で働いてる子がほとんどだった
ホストに貢いで破産した子とか、
自分で作った借金のために働いてる子とかね
遊ぶ金欲しさで働いてる子もいたよ

でもゆりは、ゆり自身は何も悪いことはしていないのに風俗嬢をやっていた
馬鹿だなあと思った
馬鹿正直で良い子なんだなあと思った

俺は、ゆりは何にも悪くないんだから逃げて知らんぷりしちゃえばよかったのにと言った

でもゆりは、私が逃げたら妹が困るでしょ、たった一人の可愛い大事な妹なのに
それにお母さんのことも、本当に憎たらしいし死んじゃえばいいって思うけど、でも見捨てられなかったの
私って生きるの下手だよね
人生一回しかないのに風俗嬢なんかになっちゃってさ、と笑いながら言った

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 04:13:11 ID:hiAL7Ur40
結構長く喋ったような気がしたけど時間にすると三十分にも満たなくて、俺たちは居酒屋に着いた
ちょっとだけしんみりした空気が流れたが、ビールで乾杯して気分を入れ替えた
ゆりは二杯目からは芋焼酎を注文していてびっくりした

それからの会話はあえて先程までの話題には触れず、楽しいことだけ話した
俺とゆりはほとんど年代が一緒なので、アニメの話とかで盛り上がった

年代がばれると思うが
カードキャプターさくらとかデジモンとかハガレンとか
ゆりはマスタング大佐がいかに格好いいかを力説した

時刻は夜九時を回っていた
解散するには良い時間だと思ったけど、まだゆりと話したいと思った
俺はゆりをカラオケに誘った アニソンの話題でも盛り上がったし
ゆりは行く!と即答した

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 04:09:02 ID:w7VPyoOM0
創作すぎてつまらん
そんなに会話の節々覚えてるかよカス

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 04:22:04 ID:hiAL7Ur40
>>71
そりゃセリフはかなり補完してるしフェイクも入れてるよ
創作だと思ってもらっても構わないよ



カラオケに入って、俺もゆりも更に酒を頼んだ
俺はかなり酒が強いほうだと自負していたが、ゆりのほうが強いかもしれなかった
芋焼酎を水みたいにパカスカ空けてたわりにゆりは普段通りだった
一時間くらい交互に色々歌って、さすがに眠気と疲れと酔いで曲入れが止まった

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 04:31:08 ID:hiAL7Ur40
二人で無言でテレビ画面に映る曲のプロモーションとか知らない歌手の宣伝とかを眺めていた
どちらともなく、そろそろ出ようかと言い、カラオケ店を後にした

車に乗り込んだけど、でもまだゆりと一緒にいたいなーと思った
ゆりといる時間はとても居心地が良かった
でも酔いが回った頭に、ゆりには男がいるよね、という思いがよぎった
よぎっただけだと思ったんだけど、実際には口に出して「ゆりって寮に男入れてるよね?」と聞いていた
ゆりは一瞬びっくりした顔をして、そのあと少しだけ笑って「今は一人だよ」と答えた
俺とゆりは数秒間見つめ合って、
何というか、陳腐な言い方だと自分でも思うが、引き寄せ合うような感じでキスをした

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 04:32:36 ID:hiAL7Ur40
ホテルのシーンいる?

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 04:35:20 ID:g4tmQqjq0
>>79
クソ寒いんだから早くしろ
してくださいお願いします

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 04:39:03 ID:hiAL7Ur40
>>81
www



ホテル行こっかと俺が言うと、ゆりは数秒間固まって、無言で頷いた。
俺がキーを回そうとすると、ゆりは一瞬怪訝な顔をして、俺の手をベシッと叩いた。
「ダメダメダメ」と呪文みたいに言うので仕方なくタクシーで移動した

ホテルに着いて受付を済ませ、ゆりの手を引いて入り組んだホテル内を歩いた
ゆりはガチガチに緊張していた
風俗嬢のくせに何で緊張してるんだと思ったけど当たり前だけど言わなかった

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 04:46:10 ID:hiAL7Ur40
俺は大学のときに彼女がいたしラブホも何度か行ったけど、
ゆりはラブホに来るのは初めてだと言った
彼氏はいたけど、彼氏の家でしかしたことないと小さい声で答えた

部屋に入り、俺はすぐにお湯をためた
ゆりは広いベッドとか冷蔵庫とか色々なものを物珍しげに眺めては「おぉ」と声を上げていた

ホテルまで連れてきたはいいものの、俺にもだいぶ戸惑いとか緊張があった
仲が良い店の女の子は他にもいたけど、こういう関係になった子は初めてだった
それにこうなるということはゆりと付き合うということだろうか
でも居酒屋の女と、先がないからという理由で別れたばっかりだし、
でもゆりと遊びだけで終わるのも嫌だな、とか、色々な考えが頭を巡っていた

そして、風俗のボーイとして働いてはいるけれども、
ゆりがどうして風俗で働いているのかも聞いたけれども、
やっぱりゆりは風俗嬢だしなあ、とも思った

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 04:51:28 ID:XLHdJ5c2O
ゆりは男ってことっすか

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 05:06:08 ID:hiAL7Ur40
>>87
>そして、風俗のボーイとして働いてはいるけれども、
>ゆりがどうして風俗で働いているのかも聞いたけれども、
>やっぱりゆりは風俗嬢だしなあ、とも思った

そして、俺自身風俗のボーイとして働いているのにもかかわらず、
しかもゆりがどうして風俗で働いているのかも聞いたのに、
それでも俺はやっぱりゆりは風俗嬢だしなあ、とも思った

正確にはこう言いたかったスマン

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 05:00:31 ID:hiAL7Ur40
二人で並んでソファに座り、冷蔵庫からビールを出して乾杯した
居酒屋とカラオケでだいぶ飲んだけど、キスからホテルまでの流れで完全に酔いは覚めていた
しばらく無言の時間が続き、お湯が流れるジャーという音だけが遠くに聞こえた

ゆりがぼそっと今年中にはお金も貯まると思うから、そしたら仕事辞めたいんだ、と言った
俺は頷いて、そのほうがいいよ、こんな仕事長くしてちゃだめだよ、と返した
ゆりは少しだけ笑って、俯いて、小さく泣き声を漏らした

そして嗚咽混じりにこんなことを話した
風俗で働くまでは普通の女の子だったのに、今ではこんなに汚くなってしまった
本当はこんな仕事したくない、知らない人に体なんて触られたくない
性病うつされて辛い思いするのも嫌だ
普通に幸せに暮らしたい
でも風俗嬢になってしまった事実は一生消せないし、誰かに知られたら一生蔑まれてしまう
できるなら普通に幸せに暮らしたかった
普通に彼氏作って普通に結婚して普通のお母さんになりたかった

最後のほうは泣き声でほとんど聞き取れないくらいだった
俺はずっとゆりの頭を撫でていた
心のどこかでゆりを風俗嬢だと思って下に見ていた自分を馬鹿野郎だと思った

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 05:12:02 ID:hKeUdSbOP
おい完結しろ

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 05:12:52 ID:rtHE7qE00
自分語り好きだよはよ

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 05:20:05 ID:hiAL7Ur40
>>92>>93
見てるの?ありがとう



ゆりが泣き止むまで、俺はずっとゆりの頭を撫でていた
涙が止まり、落ち着いてくると、「泣くと目が腫れるから嫌なのになー」と笑った
その後、二人で一緒に脱衣所に入って服を脱いだ
ゆりの体は色白で、胸の形が綺麗で、色も淡い色で可愛いなと思った
一緒に風呂に入ってジャグジーしたり泡風呂したりして遊んだ
ベッドに移動して、昼になるまで計四回した
そんなに元気なほうじゃないので、今までは頑張っても二回が限界だったので自分でもびっくりした

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 05:29:50 ID:hiAL7Ur40
俺はその日からゆりを源氏名の「ゆり」ではなく本名の「咲子」と呼ぶようになった
もちろん店の誰かに聞かれたら困るから、家とか、誰も見てないときだけど
明確な「店内恋愛禁止」みたいな決まりはなかったけど、暗黙の了解で恋愛は禁止だった

でも男女の睦まじい雰囲気というのは本人たちが隠しているつもりでも周囲には分かってしまうもので、
しかも女ばかりの風俗店という場所柄、俺とゆりがそういう関係だというのは皆に薄々感づかれてしまった
俺と仲の良い他の女の子で、しかもゆりと指名数を競っている子達が、ゆりに嫌がらせをし始めた
ゆりが挨拶しても無視したり、某風俗掲示板のゆりの個人スレに誹謗中傷が連日書き込まれた

ヘルスだから本番は禁止なんだけど、ゆりは誰にでも本番やらせるとか、
エイズにかかっているとか、プレイ内容が最悪とか
ゆりの容姿を貶める内容とか、ゆりが何処何処近辺に住んでいるとか書かれていた
掲示板の評判を見て来る客も結構いるので、ゆりの指名数は目に見えて落ち始めた

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 05:35:29 ID:hiAL7Ur40
それとほぼ同時期にゆりがエイズではないけど性病をもらってしまって、
それが治るのに時間がかかって一ヶ月ほど仕事を休んだ
よっぽどの人気嬢でなければ一ヶ月も休めば客足は遠のいてしまうもので、
それはゆりも例外ではなく、休みから復帰したゆりに指名客はほとんどつかなくなっていた

それでも細々とフリー客相手にゆりは仕事をしていたが、
ある日、ゆりから「もう仕事やめます。今までありがとう」とメールが来た
店長に聞くと、ゆりはもう退店手続きを終えて今週中にも寮を引き払うと言われた
ゆりに電話しても繋がらなかったので、俺はゆりの寮に向かった

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 05:41:57 ID:hiAL7Ur40
オートロックなのでエントランスのインターホンを押すと、ゆりはまだ寮にいた
ゆりはインターホン越しにごめんね、と元気のない声で謝ってきた
謝るとかよりまず話がしたかったので上げてくれと頼んで家に入れてもらった

ゆりの部屋はほとんど荷物がまとめられていて、もう出ていくだけって感じだった
家具備え付けの部屋なので持ち物なんてほとんどないから、
俺がもう少し遅く来ていたらもうゆりはいなくなっていたかもしれないと思った

なんで何も言わずにやめるんだと聞くと、
お金が貯まって、もう返済ができたから、と答えた

でもそれは理由になっていないと思った
もう返済が終わったならゆりは晴れて自由の身なんだから、
こんな逃げるような真似しなくていいじゃないかと俺は言った

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 05:49:45 ID:hiAL7Ur40
ゆりは俺が選んだあの座椅子にへたり込むようにして座った
そして、こうちゃん(俺)のことが本当に大好きになってしまったから、
大好きなこうちゃんには普通に幸せになってほしいから、
元風俗嬢の私なんかじゃなくて他の女の子と付き合ったほうがいいと思ったとべそかきながら答えた

なんでゆりはいつも馬鹿みたいな、自分を犠牲にした選択ばっかりするんだろうと思った
俺のことが好きならそんなこと気にせず堂々と俺と一緒にいてくれたらいいのに
でもそういう馬鹿なゆりを俺は好きだと思った

俺は何かもう色々すっ飛ばして、
ゆりに、結婚しようと言った
ゆりは唖然とした顔で俺を見た

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 05:59:21 ID:hiAL7Ur40
ゆりは何言ってんの、無理でしょと呟いた
でも俺ももうじきボーイを辞めて昼職に就くつもりだし、全然無理じゃないと思った、思ったというかそう言った
だけどもゆりは馬鹿じゃないの、何言ってんの、ばーか、ばーかと笑いながら泣いていた

ゆりはそれから俺の借り上げマンションに住むようになり、
持ち前の話術からかなんなのかさらっと次の職を見つけてきた
俺はそれから数ヶ月ボーイをして資金をためてアパートに引越し、ボーイを辞めて昼の仕事に転職した
ちなみに昼の仕事を紹介してくれたのも店長。本当に本当に感謝しています

そして失踪して、首締めて臭い玉を出した日からほぼ三年でやっと住民票を住んでいる場所に置き、いわゆる真人間に戻った
ちなみに住民票は長らく移してなかったので削除されてて、市役所の人にお願いして新しく作ってもらった

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 06:06:19 ID:hiAL7Ur40
住民票を置いて三ヶ月、新しい生活にも慣れた頃、俺はゆり、じゃなくて咲子と一緒に婚姻届を出しに行った
保証人は店長と、ゆりとよく飲みに行っていたバーのマスターにお願いした
咲子は最後まで本当に出せるの?私が結婚するの?私が奥さんになるの?とぶつぶつ言っていた
番地の書き方が正確じゃなくてヨコ線引かれたり訂正印押したりして不格好な婚姻届になってしまったが受理された
その日は咲子の誕生日だった

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 06:12:21 ID:hiAL7Ur40
それから咲子が妊娠したりなんだりあるんだけど
赤ん坊が泣いてるからそろそろ咲子が起きると思うのでこの辺で終わりにする
子供が俺にそっくりでめちゃくちゃ可愛いよ
見てくれた人ありがとう

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 06:14:48 ID:5qMAlR9n0
おつ

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 06:15:59 ID:8n+S3KqW0

幸せにな

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 06:19:32 ID:PrJNqnIw0
死にたい願望で押し潰されそうになってたから、なんか心が軽くなったよ
ありがとう

いい話だよな

奥さん、子供と共に末永く幸せになってくださいね

それにしても店長いい人すぎだろう

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 06:27:44 ID:P7P63fH/0

幸せに

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 06:30:17 ID:1lxvL+tT0
ちょうどいいタイミングで終わってた。
世の中いろんな人いるよね。
2人ともじゃなく3人でお幸せに!

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 06:37:23 ID:rtHE7qE00
乙!
幸せにな!それとお前の話は聞き入っちゃうからまたこういうスレお願いします

114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 06:42:19 ID:BRy5moeki
乙、幸せにな

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/11 08:03:34 ID:fQvLT//DO
二人は幸せなキスをして終了



ピックアップ記事

出会い系歴10年以上たったけど質問ある?

[ペニス 増大]ちんこを+1~2cm太くする方法あるけど知りたい?

[卒業]童貞だったけどネットで会った女とセ○ロスしたったwww

女「授業中だけど… 安価で行動します」コソコソ

[完結]彼女にイカサマ麻雀師って嘘付いたら大変なことになった・・・


香水買おうと思うんだが

イ カ れ た メ ン バ ー 紹 介 す る ぜ !


芝を生やせばどんな言葉でも明るく聞こえると発見wwwwww

XVIDEOSの捗る検索ワード[英単語]

[完結]変態の俺が助けた女の子に惚れられてしまった


18歳女子と出会える方法


5万以下でマジで買って良かったと思うものあげてけ

【ヒトカラ】一人カラオケが趣味の奴集合~!

ニートだったけど実家再建した

にわか心理学使って異性くどいてみないか?

毎回同じやり方をするだけで、飛躍的にゲット率があがる!かわいい女の子と即日エッチする方法

人生を変えてくれた恩師の話をきいてくれ


90日でブサイクがかわいい女を落とす方法